出っ歯には「上の顎が出ているタイプ」「下の顎が下がっているタイプ」「上の歯が出ているタイプ」「これらの複合」があり、それぞれ治療法が異なります。意外と多いのが、下顎が後方に下がっているために相対的に出っ歯に見える「アングルⅡ級」のケースです。ここではこのⅡ級咬合について、原因・影響と治療法を詳しくご説明します。
出っ歯の種類
出っ歯と一口に言っても、原因によって次の4つのタイプに分かれます。
- 上の顎が出っ張っているタイプ
- 下の顎が下がっているタイプ
- 上の歯が出っ張っているタイプ
- これらが複合したタイプ
この中で意外と多いのが、下の顎が下がっていて、相対的に出っ歯に見えるケースです。下顎が後方に下がっていると、下唇で上の歯を押すために、上の前歯も出っ張っていることが多くなります。
出っ歯のセルフチェックの目安
「うちの子は出っ歯に見える」と感じたら、下の顎が後方に位置しているのが原因かもしれません。ひとつの目安として、前から見て、咬んだ状態のときに下の前歯が見えないような場合は、下顎が後方に下がっている可能性があります。
ここでは、出っ歯で一番多い、下顎が下がっている「Ⅱ級」というケースについて説明します。
実際の治療例
下顎が後方に下がっているⅡ級咬合の、矯正治療によるビフォーアフターです。深かった咬み合わせが整い、出っ歯に見えていた状態が改善されています。
Ⅱ級咬合だと何か都合がわるいの??
まず、見た目が出っ歯に見えます。下顎が後ろに下がるとともに、咬み合わせも深くなるため、咬んだときに前から下の前歯が見えなくなります。そうすると相対的に、上の前歯が目立ってしまうのです。
機能面では、下顎が後方に移動していると、顎の関節の円板という物が前方にすべってしまい、顎が痛む・顎関節症になりやすくなります。
また、下顎が後方に移動していると、下唇が上の前歯を突き上げるために、上の前歯の傾斜がきつくなり、長い年月を経て抜けてしまうこともあります。
前歯を失ったあとが、さらに問題に
上の前歯が抜けてしまうと、下の歯が上の歯茎に咬み込んでしまっている場合があり、通常の入れ歯やブリッジを入れるのが困難なことが多くなります。だからこそ、Ⅱ級咬合は早めに対応しておくことが大切です。
どの様に治療するの??(成長期の場合)
身長が伸びる前、または伸びている途中の成長期は、顎の成長を利用して治療できるため難易度が比較的低くなります。
難易度:★★★☆☆☆
- アクチバトール(FKO)またはバイオネーターの装着を開始します。
- 2年後、または永久歯の生え終わるまで装着します。
- ワイヤーを装着します(1年から2年)。
- 保定。動かした歯がその位置で骨ができて固まるのを待つための、つっかえ棒の入れ歯(保定装置)を入れます。
成長期治療の流れを、装置と口腔内の写真でご紹介します。
成人の場合(身長が伸びきってしまった場合:高校生以降)
身長が伸びきった高校生以降の成人例は、顎の成長が利用できないため難易度が上がります。
難易度:★★★★★☆
以前は上顎の小臼歯(犬歯の後ろ)を1本ずつ、両側を抜歯しておりましたが、現在(2020年)ではその必要性は殆どなくなりました。ゴムメタルという超柔軟性のワイヤーを用いて、顎の位置を変えることにより改善を図れるようになりました。ただし、症例によっては、親知らずの抜歯が必要になる場合があります。
詳しくは、アングルⅠ級・Ⅱ級(非抜歯矯正)のページをご覧ください。
いつから始めるの??
上記の治療例を見ても明らかなように、ベストは身長が伸び始める前です。女の子は小学校高学年、男の子は中学校低学年までに始めるのが良いでしょう。
費用はどれくらいかかるの??
先天性疾患の方を除いて、矯正治療は健康保険の適応になっておりませんので自費診療です。
第一期矯正 390,000円/第二期矯正 500,000円(税込・調整費用は別)
※このほかに矯正診断料18,000円と、通院ごとの調整費用(第一期3,500円・第二期5,500円)がかかります。費用は症例により異なりますので、詳しくは診察時にご説明いたします。治療費用のページもご覧ください。
出っ歯・Ⅱ級咬合でお悩みの方へ
出っ歯はタイプによって治療法も開始時期も異なります。お子様の咬み合わせが気になる方も、ご自身の出っ歯が気になる方も、まずは一度ご相談ください。