歯科技工士さんはどのようにして歯に詰める金属を作っているのでしょうか?(記入1997年)
協力:ホワイトデンタルラボ/横浜
インレー(詰め物)ができるまで
インレーと言う物を例に説明します。歯科医院から預かった模型をもとに、技工士が次のような工程を経て、お口に合う詰め物を製作していきます。
1. 模型作成(模型の分割)
歯科医院より預かった模型をノコギリで分割します。(模型作成)
2. ワックスアップ
ロウで歯の形を作ります。(ワックスアップ)ロウを彫刻して此処まで仕上げます。
3. スプルー植立
ロウに針金の様な物を刺して円錐状の台に立てます。
4. 埋没
上の物に金属のリングを被せてその中に、熱に強い石膏の様な物をつぎます(埋没)
5. 焼成
電気炉に入れてロウを溶かします(焼成)
6. 鋳造
金属のリングの上に鋳造する金属を置き溶かして遠心鋳造します。(鋳造)
7. 鋳造直後
鋳造したてはこんな形です。
8. 完成(研磨・適合確認)
磨いて模型に戻します。相対する歯との咬み合わせや、隣の歯に気をつけます(完成)
歯科技工に求められる精度
かなり煩雑な行程です。特に鋳造で失敗してしますと、ロウで形を作る所からやり直しです。上のイメージの様に、比較的簡単な物なら良いですが、大きいブリッジですと大変な時間と根気と精度を要求されます。置物ならば1ミリ位の寸法変化は容認されますが、歯科技工の場合、石膏の型とはミクロの単位での適合性が要求されます。そこが宝石等の彫金細工などとは、大きく異なる所です。
現在の歯科技工(セラミック・CAD/CAM)
2020現在、小机歯科には、院内技工所があります。しかし、この様なメタルではなくセラミックを扱っています。セラミックの場合、歯型を採る必要はなく、ビデオ撮影です。そしてそのデータからデジタル上で被せものなどを設計します。そして、専用の削り出しの機械でセラミックのブロックを削って作ります。早ければ、ビデオ撮りから完成まで30分です。
ただ2023年になっても、日本の歯科大学での教育は依然として30年前と同じ上記の金属の鋳造を未だに教えている様です。世界的に見れば完全に時代遅れです。
もう、セラミックの時代です。金属はアレルギーの問題があります。また、基本的にセラミックと違い、セメントが接着しにくい性質がありますので、セメントが剥がれてそこから、又、虫歯になる事があるからです。
この記事の執筆者
久保倉 弘孝(歯科医師・医療法人社団:敬友会理事長)。1986年に小机歯科医院を開設。K.SRCT(久保倉式スーパー根管治療)考案者。ICOI国際インプラント学会指導医(Diplomate)、歯科医師臨床研修 指導歯科医。
※当ページの情報は一般的な歯科知識の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。お口の気になる症状はかかりつけ歯科医にご相談ください。