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ホーム > トピックス > スーパー根管治療 症例04

スーパー根管治療(根管治療の症例紹介04)

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スーパー根管治療 症例31 上顎前歯の歯根のう胞

初診時 20代女性

9年前に来院されて上顎前歯の根管治療を2回うけられた患者さん。9年後に親知らずの精査の為にCTを撮影。この部分も映っていたので見てみると、根尖病変は完全に治癒をしており、再発も全く見られない。この部分の根管治療は、根尖病変が生じており抜歯をされてしまっているケースが多い。この患者さんにしてみれば、全く症状がなかったので根管治療におけるトラブルの事など知る由もないが、私たち歯科医師からすると非常に自信が持てるケースでもある。

【かんたん説明】

赤く囲んである部分が根の先端。そこが黒くなっています。これは本来ならば無ければならない骨が溶けてしまっているのです。わずか2回のスーパー根管治療に準ずる方法の治療を9年前にしておりました。最近、偶然にもCTを撮影する機会があり、この部分を見てみると、骨は完全に再生しておりました。今後も問題なく使えるでしょう。根管治療で半年通った挙句に抜歯。その様な話もよく聞きます。これは明らかに技術の差なのです。根管治療は問題が起こってからその重要性に気が付かされるのです。

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スーパー根管治療 症例32 重篤な歯性上顎洞炎

50代 女性

左上が腫れてもの凄く痛いと来院。歯科用CBCTを撮影すると、左上の第一大臼歯に相当する上顎洞は粘液が貯留している様な白濁をした映像が観察された。又、上顎洞の側面の骨も丸く吸収してしまっていた。明らかに重篤な歯性上顎洞炎である。通常はこの様な場合、抜歯が普通である。しかし、抜歯をした後を考えると非常に恐ろしい。この歯の根の先から上顎洞にかけて骨が全くなく、上顎洞内は粘液が貯留している状態なので、抜歯をした場合、抜歯をした穴の自然閉鎖が起こらず、口の中と上顎洞が交通してしまう口腔上顎洞瘻を作ってしまう場合が多い。そうすると今度は、耳鼻科で上顎洞根治術と言う手術の必要性が出てくる。そして抜歯をした部分に骨を作る手術も必要になる場合が多い。そして上顎洞が治ったとしても歯がない部分をどうするか?当然インプラントは行いにくく、ブリッジや義歯での治療が必要になる。よっていちかばちかでスーパー根管治療を行った。根管治療は2回。1週間後には根管充填を行った。1週間程度は腫れが有ったが、徐々に腫れは収まった。そして3か月後のCBCTでは上顎洞内の炎症はかなり改善をした。歯に関しては痛みも全くなく、普通に咬めるようになったので、被せものをして経過観察をしている。又、根管充填も周囲に炎症が有る時期に行っているが、現在の根管治療の常識からすると大きく非常識。しかし、しっかり根管充填をすれば、生体は異物としての認定を解除するので、速やかに治ってゆくのを証明した症例。

【かんたん説明】

左上の歯の周囲がパンパンに腫れて来院された患者さん。歯科常識では抜歯が普通です。しかし抜歯をしてしまうと耳鼻科に入院が必要な状態になってしまうパターンでした。スーパー根管治療でそれを回避できました。3か月した現在では、なんともなく咬めて食事ができています。上顎洞なもかなり改善をしていますが、更なる経過観察をして行きたいと思います。

 歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)とは

上顎の奥歯の上には、上顎洞と言う副鼻腔の1つが有ります。奥歯の歯の根の先がこの上顎洞に近い場合、虫歯を放置しておいて、神経(歯髄)が死んでしまった場合や、一度治療をした歯の根の中で再感染が起こった場合に上顎洞の中に炎症を起こす場合が有ります。これを歯性上顎洞炎と呼びます。原因は歯ですので歯の治療が必要です。CTを撮影すると意外と多く、慢性的な場合は症状が無い場合も有ります。風邪をひいた場合にもこの上顎洞に炎症を起こす場合もありますので、注意深く診断をする必要が有ります。多くは根管治療の不備が原因ですので、ケースルクト法による根管治療の場合は抜歯をしないで治る場合もかなりあります。この症例もそうです。尚、歯の中に大きな金属やグラスファイバーの土台を深く挿入されている場合は根管治療が出来ない場合も有ります。それらが外せないからです。尚、歯性上顎洞炎の診断には歯科用CTの撮影は必須です。

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スーパー根管治療 症例33 上顎前歯の根尖病変

50代(初診時)女性

当院では、レントゲンで根の先に影が有っても、症状がなければ経過観察としている。この症例は、当初の経過観察中は根尖病変の変化はあまりなかったが、急に大きくなり症状も出てきた症例。歯根破折も考えられたが、K.SRCTにより治療。治療回数は1回であるが、10か月後には根の先に骨の回復が見られた症例。

【かんたん説明】

歯科医院に行ってレントゲンを撮られて根の先に黒い部分があると、根の先に膿が溜まってますから治療が必要だと言われると思います。それは本当でしょうか。確かに慢性的な炎症は有るのですが、膿が溜まっている様になれば症状は有るはずです。ですから膿が溜まっていると言う表現は不適切だと考えています。それではその状態の歯を直ぐに治療をする必要が有るのでしょうか?当院では経過観察とします。それは、この様な根尖病変と言われる病変も、経過を見ていると全く症状も無く、レントゲンでも変化の無い場合があるからです。その様な状態で、治療を始めるとK.SRCT法を使っても数%は上手くゆかない場合が有るからです。

この症例は、経過観察をしていましたが、根尖病変が拡大して症状が出てきてしまった為に、K.SRCT法で治療をした症例です。根尖病変の大きさに関係なく治っているのがお分かりだと思います。根の先に影があったりしても直ぐに治療をする必要は無く、的確な治療をすれば治る事がお分かり頂けると思います。

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スーパー根管治療 症例34 歯性上顎洞炎

50代 女性 

左上の一番奥の歯で咬むと痛いと来院。歯科用CBCTを撮影すると、左上第二大臼歯の根尖部付近の透過増が著明であった。又、上顎洞内もかなり広範囲に不透過像が認められた。2年4か月後のCTでは、上顎洞の中の不透過像は全く無くなり、根尖部付近にも骨が再生されている事が観察された。

【かんたん説明】

この症例集にも多く示している根の先に骨がなくなっているパターンです。歯の中の神経(歯髄)が生きていれば、絶対にこの様な事はありません。しかし、神経が死んでしまい放置しておいたり、治療が良くないと、割と簡単に根の先の骨は溶けてしまいます。そして、この歯のように副鼻腔が近いと、その中にも炎症を及ぼし、蓄膿症の様な症状が出る場合があります。スーパー根管治療ではこの様なケースでも2回の治療で治癒をしています。

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スーパー根管治療 症例35 大学病院で抜歯と言われたケース

30代 男性

医科でCTを撮影し、偶然に左上の歯の根の先に嚢胞を発見された。そして、歯科大学を受診。抜歯しか無いと言われた為にびっくり仰天。なんの症状も無いのに、なぜ抜く必要があるのかと疑問に持ったそうだ。そして、当院来院。当然、この様な根尖部の透過像は9割方はスーパー根管治療で治ると説明。治療は2回で終了。半年後のCTではかなり骨も回復してきている。当然、何の症状もない。この様なレントゲン像で抜歯なら、かなりの歯が抜かれているのであろうと推察された。

【簡単説明】

歯科大学に受診をしたら、抜歯しか無いと言われた例です。この大学は知らないわけでは無いのですが、歯科大学の治療水準などは、こんなもんだと思えてなららないのです。この患者さんは大学での診断にも疑問を持たれたので、良かったですが、疑問を持たない人は確実に抜歯をされてインプラントになったのでしょう。この様なレントゲン像なら、9割以上は治ります。なぜならば、この歯は未だ、根管治療を1回もされていないからです。根の先の影の大きさは関係ありません。

半年経過後の写真ですので、未だ骨の再生は半ばです。数年したらもっと骨はできていると思います。

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スーパー根管治療 症例36 大病院で抜歯と言われたケース

60代女性

紹介状を持参されての来院。かなり遠くから来院。紹介状には「骨吸収も進んでいますので、抜歯を勧めましたが。。」との記載があった。しかし、この患者さんは、当然、抜歯は嫌なので、ネットで色々調べて、当院に紹介状を書いてもらっての来院。症例35と同じで、根管治療は過去に行っておらず、歯髄の壊死だけで根尖部に透過像ができているだけと診断。スーパー根管治療2回にて治療を終了。半年後のレントゲンでは、骨の再生が確認された。

【かんたん説明】

歯の中の神経(歯髄)が死んでしまうと、根の先の骨が溶けてしまうのは良くあります。この様なケース、特に、一度も根管治療をされておらず、ただ、神経が死んでしまっているだけのケースは、根の先の骨の溶け具合と関係なく、スーパー根管治療では9割程度で治癒をします。この患者さんには遠くから来院されても、数回の通院で抜歯は回避できたのは、この患者さんの人生にとって相当に貢献できたと思いました。

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スーパー根管治療 症例37 下顎前歯の歯根のう胞の症例 秋山先生症例

60代女性

金属床義歯が下顎に装着されていた。その下顎前歯の舌側歯肉が義歯に当たって痛くなってきたのが主訴。何か硬い食材でも噛んで一時的に傷が出来たのだと考え義歯を調整。しかし、治癒しない。デンタルを撮ってみると、なんと下顎前歯の根尖に大きな透過像が見えた。と言う事は歯肉が腫れて義歯に当たってる事と判明。根管治療をおこなった。治療回数1回。治療後、速やかに症状は消失した。8ヶ月後のデンタルレントゲンでは、根尖部に骨の回復が見られた。尚、この間にレントゲンのCCDセンサーが故障し他社のCCDに交換している為に、写り方が違うのをお断りしておく。

【かんたん説明】

長年、当院にいらっしゃって頂いている患者さん。一部、金属で作った入れ歯が下顎に入っています。その金属に歯茎が当たって痛いと来院されました。最初は、何か硬いものを食べて、一時的に擦れて痛いのだと解釈をして義歯の調整をしました。しかし、収まらない為に、レントゲンを撮ってみました。すると、対応する歯の根の先に大きな骨のない部分が見えました。結局ここに細菌感染を起こして、歯肉が腫れている事が判明。よって、根管治療をしました。1回で終了。その後、全く症状は消えました。そして8ヶ月経った段階では、骨の再生も見られました。

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スーパー根管治療 症例38 下顎7の遠心に透過像のケース

50代 女性

左下の奥が腫れて痛い。この方は他医院で、臼歯部にジルコニアを多数入れた患者さん。専門的には、形成量がやたらに多く、当然ながら、歯髄壊死になっていたケース。しかし下顎7の遠心には、ポケットが有る場合も多く、歯周炎と鑑別が必要になった。しかし、根尖部に丸い透過像が有ったので、根尖病変と診断をして根管治療を行った。CBCT(歯科用CT)によると、樋状根であり、透過像は根尖部遠心に有るために、そこにメインの根尖孔が有る事が予想された。しかし、そこの根尖孔に根管充填を成功させるのに苦労をした症例。ただ、別件で4ヵ月後に撮ったCBCTでは、根尖部の透過像はかなり治っていた。

【かんたん説明】

神経が有る歯にセラミックを被せる場合、冠の厚みを取る為に歯を削りすぎてしまうと、いつの間にか、神経が死んでしまう事があります。そんなケースでした。来院理由は、左下の奥の歯茎が腫れたとの事でした。最初は、歯周炎かと思ったのですが、歯科用CBCT(歯科用のCT)を撮影してみると、歯髄の壊死だと判明しました。しかし、根管治療は、奥歯になればなるほど、見えづらく、手も入りにくいです。又、根管の形態も雨どいの様な特殊な形態をしていまいた。よって、根の先の根尖孔を詰めるのに、苦労しました。しかし、幸いなことに4ヵ月後に、別件で撮影したCBCTでは、かなり骨が再生しているのが、確認できました。

下の、画像でうが、模式図の方で根の先の赤い部分が根尖病変です。それが、4ヵ月後には縮小しているのがお分かり頂けると思います。

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スーパー根管治療 症例39 耳鼻科疾患では無かった症例

20代 女性

根管治療をうけたが違和感が治らない。耳鼻科に受診をしたら蓄膿なので手術が必要と言われた。そして、手術予約までした。しかし、スーパー根管治療のHPを見て来院された。歯科用CTを撮影した結果、上顎の奥歯が原因と思われるので、先ずは、根管治療が先決と診断。特に、上顎近心頬側根の第二根管に根管治療が成されていないのも大きな原因と思われた。そして、根管治療を行ったら、症状も全く無くなり、半年後の歯科用CTでも骨が再生されたのが確認された。当然、耳鼻科の手術は受けなくて済んだ症例

【かんたん説明】

左上の奥歯の根管治療を受けたのですが、違和感がとれないので大病院の耳鼻科を受診。すると蓄膿症の為に手術が必要と説明を受けました。そして手術予約までされたのですが、当院のHPを見て来院されました。歯科用のCTを撮影すると、例え、歯が関係しなくても、手術適応なほど炎症がありませんでした。また、明らかにこの蓄膿症は歯が原因と思われましたので、根管治療を行いました。半年後の確認では、症状も全くなくなりレントゲンでも改善が確認できました。耳鼻科の上顎洞根治術を受けた場合、痛いですし、術後に問題が無いわけでは無いので、よかったと思います。

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スーパー根管治療 症例40 右上側切歯の根尖病変

40代 女性

右上の鼻の下に違和感を生じたので来院。CTにより右上の側切歯の根尖部に歯冠大の歯根嚢胞を思わせるレントゲンの透過像があった。電車で2時間半かかる所より来院されたが、既存の冠を外すのに相当な時間がかかると判断した為に、もう一度、来院してもらった。そしてブリッジを外し、根の中の土台を外し、再根管治療。治療回数は1回。8カ月経過後に予後確認の為に来院。歯科用CTによると、側切歯の周囲には骨が再生されていた。

【かんたん説明】

歯の根の先に膿がたまったと言われる場合が多いと思いますが、実際に膿が溜まっているケースは余程感染したケースです。実際には骨があった部分が肉芽と言う軟組織に置換された状態になっています。今回のケースもこの状態です。CTの合成画像でみると、1回の根管治療でも8ヶ月後には骨の再生がみられた症例です。通常、この様なケースでは、歯根端切除術と言う根の先を手術で切り取る事が多いですが、K.SRCT法では殆どその様な事をしないでも治ります。

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スーパー根管治療 症例41 若い人の根尖病変

 

20代 女性

あまりエビデンス(証拠)が無い事だが、若い女性の側切歯には何故か、大きい根尖病変を認める事が多い。今回もその様な症例。この方は地元で根管治療を受けるも治らない為に、大学病院で全身麻酔下に嚢胞摘出術を進められた。そこでネットで調べて、当院来院。80%程度は治る予想にスーパー根管治療。治療回数1回。4ヶ月後には、根尖部に骨の再生がみられた。ただ、未だ骨形成の途中なので、続けて観察が必要である。

 【かんたん説明】

頭蓋骨にまるで削って穴を開けたような空洞がみられると思います。その中に尖がって見えるのが歯の根です。どうしてこの様になったかと言うと、根の中の神経(歯髄)が死んでしまい、その影響で骨が溶けてしまったのです。1円玉程度の大きな穴ですが、このまま放置しておくと、鼻の孔までつながってしまったと思います。そしてこの様なケースに歯根端切除を行うと、歯根が短くなるのは当たり前ですし、手術の範囲が大きいために、相当に腫れて痛く、それが1週間程度続いたと思われます。それが、ケースルクト法の場合は、根の中だけの治療です。よって腫れることも無く、痛みもなく、更に骨まで再生できたのです。多分、この方の人生において、相当に良かったと思われます。もしも、歯根端切除を行った場合、前述のように、根の先を切り取ってしまいますので、歯が動きやすくなります。そして外科的に根の先を掻爬しても治る確率は5割程度だと思います。よって治らなかった場合は抜歯です。そうなると、健全な両側の歯を削ってブリッジになったと思われます。そして、ブリッジにした場合、犬歯を削ってしまいますので、大方は10数年でダメになってしまいます。そうなるとインプラントになったと思います。ただ、インプラントと言っても、女性の場合は骨が薄い傾向があるので骨を作る処置が必要になったりして大金がかかったかもしれません。それでいて100%骨が出来る可能性はありません。

と言う事で、根管治療だけで、骨が出来てしまった事は、数十年後にあろうトラブルが未然に防げたのです。この方は往復2時間程度かけて来院されましたが、大きなメリットを享受できたと思われます。

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スーパー根管治療 症例42 鼻腔に繋がった根尖病変

40代 男性 右上側切歯

10年前に根管治療を受けてあった歯が、年末年始に腫れだし排膿もしてきた。近くの歯科医院を受診し口腔外科で抜歯が必要言われたために来院。

歯科用のCTを撮影すると、右上2番の根尖部から鼻腔にまで及ぶ、広範囲な骨欠損が認められた。また頬側から口蓋側まで貫通する事も確認できた。恐らく歯根嚢胞と思われたが、腫瘍性の疾患も考慮しておく必要がありと思われた。ただ、正直、これだけの大きい鼻腔までに及ぶ骨欠損が根管治療だけで治るかは疑問であり、患者さんにはやってみないと分からないと申し上げた。そしてスーパー根管治療で治癒する確率は5割弱と説明した。

スーパー根管治療は来院1回で終了。半年後の再診によると、症状は全く消失。歯科用のCTによると、骨欠損部の縮小と、欠損部に対して新生骨の産生を認めた。現時点では結果良好であり、今後の骨の変化を観察してゆく必要があると思われた。 

【かんたん説明】

根の治療をしてあるのに、根の先が痛く腫れてきた。その様な症例です。レントゲンによると、根の骨が溶けてしまっています。そこに細菌感染を起こしたために腫れてきたのです。その大きさは1円玉程度。これだけ大きくなると、歯科医師は歯根嚢胞と言う病名を付けて根管治療では治癒しないと説明をします。そして治すためには根の先を切り取る歯根端切除か、歯自体を抜歯してしまうしかないと説明をします。しかし、私どものスーパー根管治療ではこの様な歯根嚢胞と思われる症例も治る症例も有ると考えています。ただこれだけ大きいと、治療をしてみて経過を見てみる以外にはありません。その様に説明をしてスーパー根管治療を行いました。スーパー根管治療の回数は1回。半年後のレントゲンによると、溶けてしまった骨の部分の再生が確認できました。また、症状も一切ないそうです。そして、心なしか体調も良くなったそうです。

この様な場合、一般的な治療として抜歯となると、抜歯をしてから骨の溶けた部分をソウハする訳ですが、鼻に繋がっているので、耳鼻科と合同手術が必要になったはずです。しかも手術後はかなり腫れる事は間違いなく入院も1週間程度は必要だったと思います。そして腫れが治っても歯が失われています。しかも骨も無いので、インプラントは難しく、もしインプラントにするとなれば、骨造成を数回必要としたはずです。その様にならなかったのは、この患者さんにとっては、遠くから来た価値は大いに有ったと思います。

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スーパー根管治療 症例43 歯の間の透過像

40代 女性 東京都在住

 5年前に根管治療をした部分が痛い。耳鼻科で根管治療をする様に紹介状を頂いての来院。CTによると、上顎左側の6,7の根尖部付近の間に透過像が見られた。この様なケースの場合、6が原因なのか7が原因なのかがなかなか分かりにくい症例。また、歯根破折の可能性もある。よって、抜歯もあり得る事を説明の上、先ずは原因として可能性が高い7から根管治療を行った症例。5か月後のレントゲンでは6と7の間の透過像はほぼ消失していた。

 【かんたん説明】

 歯の間に病変が有る場合、どちらの歯が原因かを特定するのがなかなか困難です。また、歯の間には歯根嚢胞と言う袋状の病変は出来にくい傾向があるので、歯の根にヒビが入っているのかもしれないと説明してから治療をしました。まずは、原因として可能性が高い一番奥から治療を開始し、5か月程度の様子を見ました。当然、治療後からは症状は消失したそうです。そして、CTを撮影してみると、歯の間の黒い影はほぼ消失していました。よって、その手前の歯の治療はしなくて良いと判断しました。もう暫く経過をみてまいります。治療にいらしたのは1回です。ただし、1時間半程度はかかっています。

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スーパー根管治療 症例44 穿孔していた症例

 

30代女性 神奈川県在住

右上の歯の温水痛のために、近くの歯科医院を受診。恐らく歯髄炎の診断の下に抜髄処置を行ったと思われる症例。しかし何回か通った段階で、その医院ではこれ以上の治療は無理と言われたらしい。そして当院受診。CTによると、右上5番の根は近心頬側方向に大きく湾曲。しかし、それを気が付かないで、根管を大きく削ってしまったと思われた。そして、穿孔も認められる可能性があった。この時点でかなりの歯を削って有り、根管治療をしても強度の問題があるのと、穿孔部位を閉鎖して、更に湾曲をした歯根の根尖を閉鎖するのはかなり高度なテクニックが必要なので、抜歯をしてインプラントも選択肢の一つとして提案した。そして、患者さんはインプラントを選択し診療の予約をされた。そしてインプラント当日、どうせ抜くならと、抜歯の前に仮封を外してマイクロで根管内を見てみた。すると、思ったよりも根管内の切削量が少くなかった事等で患者さんに説明。とにかく、根管治療を一回やってみる事を提案。それを受け入れてもらい、インプラントの手術は中止して根管治療に切り替えた。

根管治療をしてみると、やはり穿孔は認められた。しかし何とか根尖も見つける事が出来たので、先に根尖を根管充填。それに続いてMTAセメントで穿孔部分を塞いで処置を修了した。その後、グラスファイバーの土台を立てて築造。そしてプロビジョナルクラウンをCAD/CAM装置にて削り出して装着した。

約半年後に来院。痛みは全くなくなったそうで、CT撮影をした結果、穿孔部を含めて周囲に骨の再生が認めれた。しかし、MTAセメントを使った場合、強度はそれほどアップはしないので、フランスパンの様なぐっと咬むような食品は避けて頂くように指示をしてもう少しの経過観察とした。

【かんたん説明】

熱いモノが染みる場合、歯の中の歯髄という部分を取り除いて治療をする根管治療が必要になる場合が多いです。通常はレントゲンを撮ってだいたいの形を予想し、根管治療を行います。しかし、普通のレントゲンでは根の曲がる方向によっては、曲がっている様に見えない場合があります。そんな場合に真っすぐだと思ってドリルを進めてしまうと、歯の内側から外側に向かって穴をあけてしまう穿孔が起こります。一昔前はこうなると、抜歯しかありませんでした。しかしMTAセメントが10数年前に開発されたから穿孔部を塞ぐことにより歯を抜かなくても済む場合が出てきました。今回の症例は歯を削ってある部分が多かったために根管治療で残せてもその後に折れる可能性が高いとし、抜歯をしてインプラントか、何とか根管治療をするかを選んでもらう事にしました。そして患者さんはインプラントを選択されました。しかし上記のように抜歯の前に根管内を見てみると、レントゲン画像よりは切削量は少なく感じられたので、根管治療を行いました。曲がっている根の先はスーパー根管治療で閉鎖し、穿孔部分はMTAセメントで閉鎖しました。そして半年後のレントゲンによれば骨の再生も認められ予後は良好でした。教訓としては、根管治療はCTの撮影が必要と再確認したと共に、特に単純撮影のレントゲンで根の先がボケている場合はCT撮影は必須と思いました。

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スーパー根管治療 症例45 この段階で来院してほしい症例

40代女性

この症例は、歯髄が失活しており、周囲の骨の吸収もかなりあったものの、未だ治療が介入されていなかった症例。当院にはこのような症例よりも、歯科医院で根の治療をしたものの一向に治らない症例のように歯科医師の介入があるような症例が多く来院される。その様な場合、歯根の或る部分に穿孔をきたしたり、根が破折している場合も多く、根管治療の適応ではない場合も多い。しかし、この様な段階で来院されて頂くと、かなり骨の吸収や欠損が有ってもケースルクト法により治癒させる事ができる。

 

【かんたん説明】

歯は一度、削ってしまうと骨のように再生をしてくる事は、現段階においてはありません。(実は歯髄の細胞を培養して入れてあげればそれも可能です)よって、どの様に前の歯科医師が歯を削ったかの影響を受けます。中には、歯の根の中の根管と言う部分に穴を開けてしまってある症例もあります。しかし、この症例の様に、治療の介入がされていない場合は、根の先の骨がかなり溶解していても、ケースルクト法なら骨の再生までできる場合が多いのです。ぜひともこの段階で根管治療を受けに来てほしいのです。

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スーパー根管治療 症例46 大臼歯の口蓋根の根尖病変

49代 男性

左の奥歯の違和感の為に来院。歯科用CTにより第一大臼歯は明らかに失活をしていた。幸いな事に、未治療であったために、K.SRCT法により治療。根管充填をすると、口蓋根は根尖部付近に二股に分かれていた。この様な根管の場合、側方加圧根充法ではこの二股に分かれている両方に根管充填をする事は先ずは不可能。よって場合によっては違和感が続き、骨の吸収が進んだと思われる。


【簡単説明】

虫歯の治療をしてある場合、歯の中の神経(歯髄と言う組織)が壊死して来る場合があります。普通は、神経が死んでしまった状態です。それではどうしてそうなるのでしょうか?

①以前に虫歯を治した時に非常に深い虫歯だった場合。この様な場合には、なるべく神経を取らない処置をします。ただ、虫歯の細菌の方が優勢で虫歯が更に進行して歯髄が壊死してしまったケース。

②金属等を詰めた隙間から虫歯になってしまったケース

③咬む圧力により、歯にヒビが入りそこから感染してしまった場合。

今回のケースは恐らく①でした。他の歯科医師の治療がされていなかったので、治療はスムーズにK.SRCT法で行われました。特筆するのは、根の中の充填が確実で有る事です。日本で一般的に行われている側方加圧根充法と言う根の中への充填方法は、固形物を入れるだけなので、隙間だらけなのと、今回の様に枝分かれした根管には充填材が入らない部分が多いのです。しかし、K.SRCT法は軟化した充填材を使いますので、枝分かれした根管にも充填材が行き渡るのです。

又、この側枝と言う枝分かれした部分に充填材が入っていないために症状が有る場合には、歯科用CTを撮影してみると、その部分のレントゲンが黒く透過して見える場合があります。つまりそれが原因です。この場合、K.SRCT法で治療をやり直すと症状が消える場合も多々あります。

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スーパー根管治療 症例47 下顎犬歯根尖部の大きな根尖病変

40代女性

左下犬歯の根尖部の違和感。歯科用CTによると根尖部に大きな骨欠損が見られた。下顎の犬歯部付近にこれだけの根尖病変が見られるのは珍しい。そもそもこの部位の歯が失活する事は稀だからだ。又、皮質骨も厚いために皮質骨までも突き破る様な嚢胞も出来にくいと予想される。治療はK.SRCT法による根管治療を行った。正直、これだけ大きいと治るかどうかは未知数と言えた。約、1年半後のCTによるとかなり縮小傾向が見られた。しかし治癒とは言えない状態である。よって経過観察中である。


【かんたん解説】

この患者さんは比較的ご近所からの来院。結果的には非常にラッキーと思えました。左下の犬歯の根っこの先に大きく骨が溶けてしまった部分が生じてしまいました。原因はこの犬歯の神経が虫歯の治療で死んでしまったからです。しかし、症状も無かった為に歯科医院に行く事もなく、かなり骨が溶けてしまってから気付いたのです。通常は、口腔外科に紹介されて、この部分の嚢胞を摘出します。しかし、大きいので、手術侵襲は相当なものです。つまり、場合によっては入院。しかも腫れます。更に、オトガイ神経が直ぐ隣にあるので、数年間、知覚麻痺をする可能性が考えられました。

しかし、K.SRCTは歯の中だけの治療なので、痛くも痒くもない。しかも腫れない。そして治療は1回で終わりました。1年後のレントゲンでは、かなりの回復が見られました。今後ご来院の際には、治癒が続行しているかCTで確認させてもらう予定です。

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スーパー根管治療 症例48 前歯の側枝の症例

40代 男性

交通事故で前歯を強打。右上1が失活。ブラケットを装着してワイヤーを屈曲して固定。同歯の根管治療をK.SRCT法で行いました。最初のデンタルでは、側枝と思われる部分が認められるものの、そこまで根充材が入っていないので、システムBと言う電気的ななヒートプラガーで加熱。そしてコンデンス。無事に側枝まで充填が完了。

 【かんたん説明】

歯の根の中の神経と言っても、ヒモの様な物ではなく、枝分かれをした木のような場合もあります。その症例です。この様な症例はこの側枝という部分まで充填をしておかないと、後で化膿してくる場合も多々あります。日本で一般的に行われている側方加圧根充ではこの様な側枝にまで充填をする事は不可能です。よって治らないケースが多いのです。そして、膿んできた場合は、根の先を外科的に切除する歯根端切除術が採用されてしまいます。このケースは根管内で充填材を加熱できるヒートプラガーと言う装置を使って軟化させて側枝まで、根管充填をする事ができました。

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スーパー根管治療49症例 1つの根だけ治癒が遅れている症例

50代 男性

左上の歯の調子が悪い。CTによると、上顎第一大臼歯の根尖部全てに嚢胞状の透過像が認められた。スーパー根管治療を行った。来院3回。半年後にCTによると、遠心頬側根、口蓋根の2根には透過像が消えて骨の添加も見られた。しかし、近心頬側根だけは、現状では見られない。現在、経過を見ているが、この根だけが歯根破折か歯根にヒビが入っている可能性が示唆されている。

 

【かんたん説明】

スーパー根管治療は、根尖部にレントゲンの不透過像が認められた場合でも、かなりの高確率で治ります。統計的には8割以上の治癒率です。しかし、どうしても治癒してない場合があります。私が思うには難治性の細菌や真菌(カビ)の存在が原因ではなく、やはり歯根にヒビが入っている様な場合が多いと思います。この症例はまだ、半年ですので経過を見てまいります。そして治らない場合は、外科的に開けて見て診断をするつもりです。

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スーパー根管治療 症例 50 動揺が激しかった症例

40代女性 東京都から来院

近くの歯科医院で左上の小臼歯の治療をして仮歯を被せてから、内側が腫れて咬めない。

実際に診察をしてみると、ほぼグラグラな状態。根管内の不具合でここまで炎症が起きているとは思えませんでした。特に口蓋側の腫れが酷いのが特徴でした。通常はこの部位は外側(頬側)が腫れるのが普通なのです。

ひょっとして歯が折れているかと予想しました。しかし仮歯を外してみると、歯は折れている感じもありませんでした。ケースルクト法により、根管治療を行いました。治療回数2回。

3か月後に来院された時には、あれほどグラグラだった歯が嘘のように動かなくなって、咬めるようになったために、セラミックで被せました。

8か月後に歯科用CTで骨の回復を観察。すると口蓋側が腫れた理由がはっきり分かりました。ケースルクト法により口蓋側に有った、根管に充填剤がはっきりと充填されているのが確認されたからです。つまり、この根管内の細菌が口蓋側に腫れを生じさせていたと思われます。この様な側枝は、日本で一般的に行われている側方加圧根充法では詰める事が困難です。よって当院に来ていなければ抜歯になっていたと思われました。

 


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