口が閉まったままロックして開かない状態を言います。
先ずは、開ける処置(マニュピュレーション)を行なってから、 種々の診断と治療を進めます。
クローズドロックが生じやすい人は、以前から口を開閉すると、コリっとこめかみあたりで音がする人です。
つまり顎関節の一部で関節円板をこすって音がする状態になっているときに、ストレスによるくいしばり等、更なる力が関節部にかかた場合、 関節円板が更にずれてしまい、ひっかかってしまって口が開かなくなるのです。
マニュピュレーションとは、日本語にすると徒手的整復術。読んで字の如く、、術者の手の力 によって、関節および、関節円板の位置の整復をはかり、口を開く様にする事です。ファーラー法と言うのが、一般的な方法ですが 、あまり奏功しない場合が多いです。
なぜかと言うと、術者が力をかけて、むりやり顎をひっぱるので痛いのと、力がうまくかからないからです。
現在では、日本歯科大学の小出先生の考案した方法が最も良いと思われます。痛みも少なく、今まで、どうしても2センチくらい しか口が開かなかった人が、この方法を試みると、30分後には4センチ以上開く様になる場合が多いです。
突然、口が開かなくなった 場合は、必ずマニュピュレーションを行って、関節円板の位置を元に戻しておく事をお勧めします。2センチ位ですと、食事もつらいですし、 放置しておきますと、関節円板を引っ張っている繊維(バイラミナゾーン:2層部)が伸びてしまって元に戻りにくくなってしまうからです。
口が開かなくなって、数週間以内であれば、元に戻せる確率は高いですが、半年以上経過してしまうと、元に戻せる確率は低くなってしまいます。出来るだけお早めに専門医を受診して、口を開けるマニュピュレーションを受けて下さい。
(注:顎関節円板の位置の異常が有るからと言っても、それほど深刻な状況ではございません。 半年以上経過した場合は、顎関節円板はその場所に留めておいて、開口する訓練を行います。そうすると、食事や発音に全く問題の無い生活が送れます。)
2005/6/28改訂
2008/6/16改訂
2020/9/7改訂