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- 治療について - 口の中のがん

口の中のがん

下顎骨悪性腫瘍手術

下顎骨悪性腫瘍手術写真。
腫瘍の部分を切除し、腸骨を移植して再建しました。
私が某公立大学の口腔外科在職時の症例です。

口腔外科では口の中や、その周囲に生じた全ての病気を診察、診療いたします。

口腔領域の悪性腫瘍の特徴

おおむね、目で見られる場所に生じるので発見しやすいのですが、それにも関わらず日本では大きくなってからの来院が多いのです。年間の死亡者数は7千人程度と言われています。初期症例を除いての口腔がんの死亡率は日本では50%程度とされ諸外国より高いのが特徴です。

頭部領域なので、腫瘍が浸潤してくると眼や脳に近いので治療が難しい場合が多いです。
腫瘍を切除した場合、噛めるように、また、見た目に関しても改善が求められます。これを 再建と言います。再建をするためには、皮膚や筋肉を体の他の部分から移植を行います。よって現在では口腔外科のみならず、形成外科や耳鼻科等のチームで治療にあたる場合が多いのです。

口腔領域のがんの治療

外科治療や化学療法、放射線療法があります。舌がんの進行例に対する外科治療は、舌を切除と共に頸部のリンパ節を取る手術が行われる場合が多いです。ただ、リンパ節だけを取る事ができないので、周囲の筋肉や組織も除去します。しかし、これがかなり重篤な後遺症を生じさせます。そこで現在では陽子線治療という放射線治療があります。日本では12か所程度の施設しかございません。それは広い敷地と設備が必要だからです。なかでも福島県郡山にあります、南東北がん陽子線治療センターでの治療は上手くゆけばその後の生活にも殆ど支障がないような画期的な治療です。放射線のみならず、舌がんに分布している動脈の中に直接抗がん剤を入れる動注療法と併用することが特徴の様です。現在のところ自由診療で保険適応は無いようですが頭頚部領域の場合、外科治療後の後遺症や顔面部の審美障害を考えると、三百万円以上にかかっても有り余る価値があると思われます。

口腔悪性腫瘍の発見の仕方

扁平上皮癌

扁平上皮癌

痛くない口内炎の様な潰瘍やシコリが、ずっと有る場合。口の中の粘膜で盛り上がって、時々出血等を起こす出来物。
虫歯の様な歯科疾患が無いのに、かなりの痛みが続く場合。口の中の粘膜に、強くこすっても剥がれない真っ白な部分が有り、拡大傾向の場合。

口腔がんが多いのは圧倒的に舌で、口腔がんの半分以上を占めます。ただ舌についても舌の横が好発部位であり、舌の上面には殆ど発生しません。

口腔悪性腫瘍にならないために

悪性腫瘍とは癌、肉腫、リンパ腫、骨髄腫、等、色々有りますが、そのほとんどの原因は解っていません。
今のところ、ある程度の因果関係が有るのではないかと思われる点は、喫煙(タバコ)です。
歯肉をニコチンでスモークして良い訳はありません。そして、しっかりと歯を直しましょう。虫歯でかけてしまった歯の端や、歯を抜きっぱなし にしている為に、反対側の歯が直接に粘膜を咬んでいる場合は、要注意です。また、当院では初診時やメインテナンスに来院された方には、舌や頬粘膜に腫瘍が無いかも定期的にチェックを行っております。

参考:癌と間違い易い疾患について

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