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プロポリスによる口内炎

今話題の健康食品のプロポリスですが、稀に、アレルギー症状を起こす事が有るようです。


出典:プロポリスによる接触性口内炎の1例
古戸井春吾、古森孝英、他
日本口腔外科学会雑誌、45:524-526 1999

 <要約>

本文の要約は私が行いました。

  • 患者:80才 女性 飲食業
  • 主訴:口腔粘膜のびらんと摂食痛
  • 既往歴:特記事項なし
  • 現病歴:初診日より5日前、口腔内の疼痛による摂食困難を自覚したので、近医耳鼻科を受診したが不明の為、論文発表の病院の耳鼻科を紹介され、口腔内精査の為、口腔外科受診となった。
  • 治療経過:臨床検査値もあまり問題はなく、原因ははっきりわからなかったので、詳細に問診(良く聞いてみる事)をしたところ、足の白せん症の治療として市販のプロポリス含有の錠剤を症状発現の前日に服用している事が判明した。
    発症後も内服を続けて口腔内症状も悪化しているので、そのプロポリス含有の錠剤の服用を中止して、パッチテストを行った。それはその錠剤を粉砕して前腕部にワセリンと共に貼布し、その結果、周囲は真っ赤になり強陽性の反応を示した。以上よりプロポリスによる接触性口内炎と診断し、抗ヒスタミン剤の内服で、2週間後には、完全に治った。

 考察:原文

プロポリスは蜜蜂が、種々の植物から採集してきた、樹脂に由来し、巣の補強と防御の為に、巣の出入り口に塗り固められている物質である。その成分として、樹脂が50~60%、ロウが25~30%、花粉が15~25%その他有機物やミネラルが数%とされている。しかし、これらの、成分は産地や時期、蜜蜂の種類や性質により異なる上、まだ解明されていない物質もふくまれている事から、アレルギーの原因物質の同定は困難となっている。

ヨーロッパでは、プロポリスを配合した医薬品や化粧品が多数販売されており、プロポリスによる接触性皮膚炎の報告は200例以上に及んでいる。わが国では、内服兼外用の健康食品としてプロポリス製品が販売されており、アレルギーによる皮膚炎は、われわれが渉猟した限りでは、22例報告されている。

本症例では、プロポリス含有の錠剤を30分間口腔内に含んだ後に呑み込んでいる。しかし、他の皮膚などに、なんらアレルギー症状を呈していない。したがって、内服による影響よりも、口腔粘膜に長時間接触することにより発現した接触性口内炎と考えられ、プロポリスの副作用が口腔内に認められた、まれな症例であると思われた。

以下、私の感想

この様な事は滅多にないのでしょうけど、アレルギー体質の 人は、少し注意した方が良いのかもしれませんね。

ただ、この論文では、その錠剤そのものをつぶしてパッチテストをしていますが、当然プロポリスだけでは錠剤にはならないでしょうから添加剤が入っているはです。もしかしたら、その様なプロポリス以外の物質にアレルギーが有ったのかもしれません。ですから、正しくは、その錠剤によるアレルギーと言う事でしょう。欲を言うと、他のメーカーのプロポリスの錠剤やらを買ってきて、パッチテストをして、それらでもやはり陽性なら、プロポリスそのものが犯人の確率が高まったのでしょうね。


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