
待ちに待ったセメントが日本国内で発売されました(2007年)。
セメントと言うと、通常は金属をくっつけるために使う事が多いですが、このMTAセメント(商品名 プロルート)には、特殊な用途があります。それは、穴埋め用としての用途です。ただの虫歯の穴ではなくて、歯から骨に抜ける穴を埋めるのに使うものなのです。又、最近では、深い虫歯を削っていった場合に歯随(神経)が露出して出血して来る場合があります。ひと昔前なら、神経を全部取る方法が一般的でした。しかし、このMTAセメントの出現により、直接覆髄(ちょくせつふくずい)と言って、部分的に歯髄を除去してこのセメントを置いておくだけで、全部歯随を取る事が不必要が場合も多くなりました。
ただ、この直接覆髄は、やってみないと分からない側面があります。なぜならば、歯を削って露出した歯髄は、必ず出血しているからです。つまり出血している組織をマイクロスコープでみても歯髄のどこまでが感染しているかが分からないのです。つまり皮膚の様な色を観察して歯髄の健康度を予測することが困難だからです。