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抗菌材を用いた歯科治療

歯の中の神経等(歯髄)が炎症を起こす前の歯の治療に関して


<従来の治療方法>

虫歯の部分を徹底的に除去して(削って)”つめる”療法がなされてました。しかし徹底的に除去しますと、結果的に神経等(歯髄)を取らなければならない事が多々ありました。 これは、「虫歯の部分は徹底的に取っておかなければ、歯の中で虫歯が再発してしまうから」でした。神経等(歯髄)を取れば歯は弱くなる事は言うまでもありません。


<新しい治療方法>

新潟大学歯学部の方々の研究成果によります。
要約しますと、「虫歯の部分を徹底的に取っておかなけばならないのは、虫歯の中の細菌の活動が止まらない」からです。もしその細菌に効く薬を見つければ、「虫歯を有る程度残しておいても良いのではないか」と言う考えに基づいております。そして研究の結果そのような薬剤(実はごくありふれた内服薬の混合物)が発見され虫歯を少しだけ取った部分に詰めておくと、数ヶ月後に取り残した柔らかいはずの虫歯の部分が硬くなる事が確認されまた。
しかし、数日にわたり夜中に痛い様な虫歯は、歯髄にかなりの変化が起きているため、当初は良くてもやはり神経を取らなければならないことがあります。また、抗菌剤入りのセメントとレジン(プラスチックの様な物)は直接はくっつかないために、やや脱落しやすい欠点が有ります。


この方法は万能ではありませんが、今ではかなりの確率で神経等(歯髄)を取らずに治療することが出来るようになりました。 

この方法は未だ実験(治験)段階といえますが、使用薬剤がごく安全なものであり、もし効果が無い場合であっても従来どうりに神経等(歯髄)を除去する方法に移行するだけですので、歯科治療に革命的な変化を起こす可能性があります。

 

<現在の考え方(2018年追記)>

 現在でも、う蝕に罹患した歯質は徹底的に除去しないで、段階的な歯髄温存療法は推奨されています。ただ、この抗菌材を使うスリーミックス法(3Mix-MP法)はエビデンスはそれほど高くありません。論文が殆ど無いのです。海外での3Mix-MP法の論文は、この様に神経(歯髄)を取るのを回避するのではなく、歯髄を取ってしまった後の根管治療に使っている論文が殆どです。この様な、歯髄を保存する目的で使用した論文は2013年にタイ国のTrairalvorakulらが論文を出しています。しかし、結論としては、従来の水酸化カルシウムを用いる方法と3Mix-MPでは統計的に差が無かったと報告しています。

 日本歯科保存学会のう蝕治療ガイドラインにおいても水酸化カルシウム製剤や、タンニン・フッ化物剤配合カルボキシレートセメントの記載を推奨しており、抗菌剤の事は一切記載されていません。

 また、ドイツのMente J らは2014年の論文でかなり深い虫歯で歯髄が露出してしまった様な場合に行う歯髄温存療法にMTAセメントを用いた場合と水酸化カルシウムの比較を行っていますが、MTAセメントを用いた方が水酸化カルシウムよりも約20%程度成功率が高いと述べています。そのため現在では、MTAセメントを用いるのが一番良いと考えています。

しかし、MTAセメントは高価なため保険診療では使えないのがネックです。

 

【文献】

Trairatvorakul C,et al.Indirect pulp treatment vs antibiotic sterilization of deep caries in mandibular primary molars.Int J Paediatr Dent. 2014 Jan;24(1):23-31

 日本歯科保存学会.う蝕治療ガイドライン第二版.末永書店。2015.113-129

Mente J.et al.Treatment outcome of mineral trioxide aggregate or calcium hydroxide direct pulp capping: long-term results.J Endod. 2014 Nov;40(11):1746-51

 

7歳児 この様な未完成な歯の深い虫歯は痛みの有る場合、ついこの間までは歯の中の神経を取らなければなりませんでした。
しかし、歯は当面残せても予後はとても悪く、歯の寿命を大きく縮めてしまう事になっておりました。(矢印が虫歯)

今では、この様に中に抗菌剤を入れて樹脂で仮に被せて、虫歯の部分が無菌化され、硬さを取り戻すのを待ちます。
そして6ヶ月から1年後に本当に効果が有ったのかを確認して、最終の修復処置を行います。<br>ただ、
既に歯髄(神経)の死んでしまった歯や、腐りかけた歯髄には無効です。
また、余談ですがこの薬剤には強力な鎮痛作用が認められます。

記入:1996/1/5
追伸:日本歯科評論社より詳しく説明された本が96/10月に発売されました。


追補:2年間治療した評価を書きました。97/3/12
2018年現在の取り扱いについて書きました

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