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吸着する下顎総義歯

下顎の総義歯(総入れ歯)はガタガタして安定しないものです。それを安定させて吸着する総義歯を作製できるとされるセミナーを東京で2日に渡って勉強してきました。その内容を忘れないようにするために、記録として書きました。専門的内容ですので、一般の方がお読みになってもわからないと思います。

講師:阿○ニ○ 先生 東京都開業

大きな特徴

  1. 診査のポイントは、顎堤の形態、舌下ヒダ、後顎舌筋下、レトロモラーパッド
  2. 精密印象は、蝋堤を作製して咬座印象としてとる。
  3. 蝋堤を作るスナップ印象は、無圧印象とする。
  4. スナップ印象の時に、決して開口状態でとらない。
  5. 封鎖は、レトロモラーパッドの奥と舌下部でも達成される。
  6. 決して大きな義歯ではない。
  7. 後顎舌筋かには、2ミリ程度いれる。
  8. 義歯の形態は、粘膜が封鎖しやすい形に研磨面をする
  9. 舌の置き場所、頬粘膜が入り込みやすい床後方形態。前歯部直下を凹部にする
  10. レトロモラーパッドと上顎結節部の義歯の間隙は5ミリ以上とる
  11. レトロモラーパッドは完全に覆うが、長いのはダメ。ぎりぎりで止める。

診査診断

舌下部が深いほうが吸着しそうな気がするが、それは誤りで口腔内を前方から見て、舌下ヒダが柔らかくみえる位の方が吸着しやすい。

スナップ印象

下顎は、既成トレーを改造したものでアルギン酸印象。50ミリリットルのシリンジに、下顎の印象を採るにはやや柔らかすぎる程度の調度で左舌側から右舌側、右頬側、左頬側に一気に注入。この時に、レトロモラーパッドを必ず覆う事が必要。トレーを入れてからは、乗っける感じで決して圧迫してはいけない。頬の部分は概則から撫で上げる。それから必ず閉口状態の部分で待つ。手は離してよい。上顎は通常の方法でスナップ印象をとる。

そして、下顎はハイドロマーカーペンで印象面に直接外形を書く。舌側は鉛筆の腹で書く。頬側は、一番高い部分をマークする。レトロモラーパッドは、洋梨型にしっかり記録する。

上顎は、模型上で完成義歯より2ミリ短くマーキング。

石膏は早めに硬化する物を使う。

蝋堤の作製

ベースプレートは厚くならない様に、レトロモラーパッドは完全に覆う。スジは避ける。この時に、舌側は舌の置き場所があるように、凹部に形成。下顎歯茎部の下部は凹部に、又後方の頬側面も今日粘膜が入りやすいように、凹部に形成する。

上顎の本印象

  1. 各個トレーを作る
  2. フィットを確認
  3. ボーダー部にユニファスト3を盛り辺縁をしめる
  4. ボーダータイプシリコンは小帯部を避けて外側にもる
  5. エグザデンチャー又は、エグザファストを内面に薄すく盛って最終印象

下顎の本印象

  1. バイトをとる為に、高さを在る程度決める。その為にフーっと息を吐いてもらって口を閉じる
  2. 鼻とオトガイ部にマーカーペンシルでマーキング
  3. 下顎の蝋堤を指適する。
  4. 後顎舌筋かの部分が足りない時は、接着剤を塗布してからデンチャーエイドLCで足す。その時は、開閉口運動と、唾を飲む嚥下運動をさせる。内面にエイドが入った時は丁寧にエバンスで取り除く。
  5. フィットチェッカーで適合をチェック。薄くすける所は削っておく。
  6. ソフトライナーを粉10液7で練って、サッと40度の湯に通してから下顎の粘膜面に塗布し口腔内へ。
  7. 軽く咬んでもらう。
  8. ウーっと発音。やや下唇をひっぱって下唇小帯の記録をする。
  9. イーっと発音
  10. 右手で蝋堤を押さえて、上唇を舌でなめてもらう。
  11. 左手でオトガイ下部に手を当てて、右手を上下の蝋堤の部分に当て舌で蝋堤の裏を押す。
  12. 嚥下 
  13. 軽く閉口して3分間硬化待ち
  14. うがい 難症例の場合は、嚥下と開閉口のみ。開口して印象を硬化させる。
  15. 接着剤を粘膜面に薄く塗布して、エグザデンチャー又はエグザファストを盛る
  16. イー、ウー 上唇なめ、閉口して舌で蝋堤押し、を行う
  17. フェイスボーが必要ならとっておく

咬合採得

蝋堤同士をシリコンのバイト材で固定する。必要ならチェックバイトと、ゴシックアーチを使う。

技工操作

  1. 印象面から5ミリ上にモデルブロックを貼り付ける。上顎の後方は不要。
  2. 粘膜面に超硬石膏を盛り、ボクシング枠にも石膏を入れて、モデルブロックがかぶるところまで押す
  3. ここで技工所に出す。
  4. トリミング後に咬合器に付着
  5. 蝋堤を外す。
  6. 新しく粘膜面を覆う基礎床を作り配列する

試適

ワックス指適をする際に、片方でシリコンブロックを咬んでもらって、転覆しないか見る。

技工操作

重合はパラジェットバリオを使用。当然スプリットキャストを使用して重合後にリマウントをして咬合の調整

完成

フィットチェッカーでレトロモラーパッドの部分をマーク。すじを避ける様に周囲の形態修正

技工操作も非常に厳密な精度が要求され、技工料や材料も高価なために、保険では完全に赤字になるとの事で保険外診療で行う必要があります。


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