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痛くない麻酔の電動注射器

投稿日: 2021年12月14日  | カテゴリ: 院長ブログ

歯科治療は痛いものだと思っている人が多いと思います。特に、麻酔が痛いと思っている方が多いのでは無いでしょうか?


現代の歯科治療は痛い事はありません。何故でしょうか?


麻酔の仕方の進歩と機器の進歩があるからです。


先ず最初に麻酔の仕方の進歩についてです。60歳前後のご年配の歯科医師の場合、最初に針を刺すのは、歯のそばと教わっています。これが最大の誤りです。


麻酔で痛みが発生するのは、歯茎に存在するそのセンサー部分を刺激するからです。


痛み無く麻酔する。そのセンサーに対して、あまり刺激を与えない麻酔法をすれば良いのです。それでは具体的にどうすれば良いでしょうか? 


その前に歯茎の周りの歯肉の話を少しします。歯茎には動かない部分と動く部分が有るのはご存知でしょうか?歯のそばの歯茎は動かないのですが、頬っぺたは動くので、どこかに境目があるのは分かると思います。歯の部位にもよりますが、歯の周囲の1センチ程度は動かない歯茎です。あとは動く部分となり、頬っぺたに移行しています。


それでは、どちらに針を刺したほうが痛いでしょうか?

これは簡単で、痛いのは動かない歯茎なのです。なぜならば、骨にくっついていて動かない歯茎なので、引っ張って広げる事が出来ません。

そして、薬液を注入しても膨れる事も起こりにくいので、痛いのです。


逆に、動く歯茎は、麻酔をする歯科医師が引っ張れば伸びます。その伸びた部分に麻酔をするのです。粘膜を引っ張ることによって、太鼓の皮のようになります。その部分に針を刺すと、意外にもスッと入るのです。そして、引っ張ると痛みのセンサーの密度も減るために、刺激が伝わりくくなります。


そして、動く歯茎の麻酔が達成されてから、動かない歯茎の方へと麻酔を進めます。そうすれば、痛みはほぼ感じない麻酔を達成できます。



また、機器の進歩も有るのです。


先ずは、使い捨ての注射針であること。これが第一です。注射針の先端は刃物の様になっています。この刃物の切れ具合が重要なのです。1回でも使うと、少し切れ味が落ちるのです。そして骨の様な固い組織にぶつかれば、先端は容易に丸まってしまいます。現在の日本の歯科医院で注射針を再利用している医院は無いとは思いますが、以前は注射針も滅菌して再利用していた時代があるのです。その頃は針をどこに刺しても痛かったはずです。


次の機器の進歩としては、マイクロスコープだと思います。それは、針が刺さる瞬間を拡大して見られるからです。麻酔薬と言うのは、ほんの少し粘膜下に入れば周囲の麻痺は起こります。よって最初は少量を粘膜の直下に注入する必要があるのです。つまり針で刺すのを最初は極力浅くすると言うことです。それが見えるのがマイクロスコープなのです。マイクロスコープは歯科用顕微鏡とは言いますが、目に見えない物を見えるようにする顕微鏡ではありません。拡大鏡です。それで、麻酔の注射針の先を見ながら粘膜に刺す事により、最低限の粘膜貫通で済ます事ができるのでチクっとした痛みは起こらないのです。


そして、もう一つのアイテムとしては、歯科用の電動注射器です。手で行う注射器と違い、薬液をもの凄く遅いスピードで入れることが可能だからです。つまり、一番最初に針を刺して薬液を注入する場合には、ゆっくり麻酔液を注入する方が痛くないのです。また、麻酔の注入圧力も制御されていますので、がっちり効く様な麻酔の仕方もできるのです。


この電動麻酔注射器ですが、日本製のとても良い機器がありました。それが日本歯科薬品と言う会社と、ある大学が共同開発したアネジェクトと言う製品です。他社の製品が麻酔液を注入する際のスイッチがピストルのトリガーの様になっているのに対して、このアネジェクトはタッチセンサーを採用している所が大きなアドバンテージでした。つまり粘膜を麻酔針が貫通した際に薬液を送り込みますが、トリガーの様な構造物を指で引くと、本体が動くのでそれだけでも痛みに繋がったからです。それがアネジェクトにはタッチセンサーになっていたので、本体のブレがまったく無かったので、最初の薬液の注入時の痛みがなかったのです。

しかし、なぜか2020年の冬あたりに、販売を終了してしまいました。材料のディーラの人に聞いても、この機器が悪いと聞いたことは全く無いと言っていました。それなのに、販売終了。おそらく、これは私の推測ですが、何か特許権の様な問題が絡んでいたのではないのでしょうか。真相は不明です。


いずれにしても、アネジェクトは販売されなくなりましたので、いずれ、トリガー型の電動注射器を使わざるを得なくなりました。対策としては、粘膜に刺す前に、トリガーを引いて少し薬液を出した状態にしてから刺す事にしました。現在使っているアネジェクトを大切に使いたいと思います。

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