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歯科治療における技術革新

投稿日: 2016年9月14日  | カテゴリ: 院長ブログ

私が歯科医師になって30年あまり。

その間、技術革新によって歯科治療が大きく変わったことが何回かありました。

今回はその変遷を書きたいと思います。



1、光で固まる樹脂の出現


歯科医師に成り立ての頃は、歯に詰めるレジン(プラスチックの親戚)は、2つのペーストを練り合わせ、時間が経つと固まる物が普通でした。

しかし、程なくして光を照射すると固まるレジンが出現しました。これの出現により、固まるのを待つ必要が無くりました。

それまでは、固まるのに時間がかかりましたので、患者さんが動いては形が崩れるし、唾液が入らないように見守っていなければなりませんでした。特に、小児歯科においては、動くなと言っても無理でしたので、この光で固まる光重合レジンの出現のお陰で、相当に治療精度を上げる事できるようになりました。

ただ、開発当初の光重合レジンは、接着力も弱く、充填をして研磨をしている間に外れてしまったり、収縮率が高い為に術後疼痛が出たりと、現在のレジンからすれば、もの凄く低い物性でした。

しかし、現在ではその様な事も改善され歯科治療の主役とも言える様になりました。



2、チタン合金製インプラント


インプラントは30年前から取り組みました。

しかし、当時の物は現在使われている、チタン製では無く、人工サファイヤや、バイタリウムと言うような金属で出来ていました。これらは、単独で埋めて使う事が出来ず、隣の歯を削って連結をして使いました。又、骨にも接着は殆どしなかったので、まともに使えるものではありませんでした。

しかし、20年程度前にチタン合金のインプラントが登場。これは、歯の無い所に単独に埋めて歯の様に使える、画期的な物で、現在でもこのタイプが主流です。このインプラントの出現のお陰で、一番恩恵を受けたのは下顎の片方の奥歯だけ歯が無い人でした。

それまでは、片側遊離義歯と言われる入れ歯を作って入れていました。しかし、咬める様になるよりも鬱陶しさがひどいので、殆ど使って頂けませんでした。そうしているうちに、歯のある使える側もダメになってしまった事が多いかったのです。

それが、チタン合金製のインプラントの出現で鬱陶しさは無く、完全に咬めるように回復できる様になったことです。それ以降、インプラントの技術は非常に進み、現在では適応ができない部位は殆ど無くなっています。

よって歯が欠損している場合には、インプラントの技術無くして治療は全く不可能です。




3、マイクロスコープの出現


私は、2007年の7月からマイクロスコープを使っています。

最初に業者さんが、デモンストレーションで見本のマイクロスコープを持ってきた時の事を今でも鮮明に覚えています。一番最初にマイクロスコープで見たのは、石膏の歯型です。見た瞬間に明るく見えるのに驚き、石膏の気泡までくっきりと見えたのにはたまげました。

当然、即座に購入を決めました。それから何日かして納品。虫眼鏡みたいな物だからすぐに慣れるだろうと思いましたが、最初は長く覗いていると船酔いの様に気持ち悪くなったり、と結構大変でした。

それでも頑張って使っていたら、今度は逆にマイクロスコープで見える映像に慣れすぎてしまい、マイクロスコープが設置されていない診療ユニットでは、治療が上手くゆかない様になってきました。それで、もう1台買ったのがその1年後。

そして、7年前に医院を移転したのを機にどんどん買い増しをして、小机歯科では10台の診療ユニット全部に設置するに至りました。

マイクロスコープを設置して頂いている業者さんによると、これだけマイクロスコープが設置され、それを全スタッフが使いこなしている歯科医院は他にないそうです。



4、CTの出現


歯科用のCTが世の中にデビューして10年余り、小机歯科では移転と同時にCTを設置しました。

最初はインプラントの為に購入しました。しかし、今までのレントゲンの様に平面で見えるのでは無く、歯や歯が埋まっている骨が立体的に見える事によって、治療の精度が格段に上がることが実感され、現在ではインプラントは基より、歯の根の治療や歯周病の治療と、CTを活用しない分野は無いような状態になっています。

今となっては、CTが無い診療は全く考えられませんね。



5、歯科用CAD/CAMの出現


これは何だと思いますか?

簡単に説明すると、歯の被せ物や詰め物を金属で作るのではなく、パソコンで設計してセラミックを削って仕上げてしまう方法です。実は、このCAD/CAMシステムと言うのは30年前からありました。しかし、当初は使えたものではなかったそうです。

それが最近になって、パソコンの進化や工作機械の進歩もあり、大幅に精度が改善されました。一番驚くのは、1本の歯にセラミックを被せるのに、1時間程度ですべての工程が完了してしまう事です。おまけに型をとる必要もなければ、仮歯も不要なのです。

当院では昨年の4月に初めて導入し、本年も一台追加導入いたしました。


ただ、この様なCAD/CAMを使うには、使う側の歯科医師も頭も切り替える必要があるのです。従来の金属による被せ物は、茶筒の蓋の様に歯にはまり込む必要がありましたが、セラミックを使う治療は、その様な嵌り込む必要は殆ど無く、接着材で強固にくっ付けて歯と一体化するのです。よって、セラミックや接着剤の性質を常に勉強し、熟知している必要があるのです。


私の予想ですが、10年以内には金属による詰め物も保険から消え去り、ほとんどがセラミックによる治療となってゆくのではないでしょうか。また、これからもこの様な技術革新があると思いますが、それに付いてゆける様に日々、研鑽を怠らないようにしたいものです。

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