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根尖孔

投稿日: 2022年10月8日  | カテゴリ: 院長ブログ

歯は骨に埋まっています。

この様な事は当然、と私たち歯科医療関係者は思っています。


しかし、一般の方はあの硬い歯が骨に埋まっているイメージはなく、硬い肉の様な部分に埋まっていると思っている人が意外にも多いのです。


実際には、歯は骨に直接埋まっている訳ではなく、歯根膜と言うオブラートの様な膜を介して骨の中に埋まっています。ただ、この歯根膜は非常に薄いので、歯は骨に埋まっていると考えても良いと思います。



そして、歯の中には神経しか無いと思われていますが、血管もあれば、細胞もあります。それではそれらの血管や細胞などは、どうやって栄養されているのでしょうか?


実は、根の先に孔が開いていて、そこから血管や神経、リンパ管等が入り込んでいます。その孔を根尖孔と言います。この根尖孔の直径は歯の種類や年齢、人種により異なっています。一般的には若い人ほど根尖孔は開いている傾向があり、私たちモンゴロイドよりも欧米人であるコーカソイドの方が根尖孔の直径は広いと言われています。恐らく、歯が大きいからだと思われます。



それで、この根尖孔の直径は成人でおおよそ、0.2〜0.3ミリ程度です。なんでこんなに細いのかと言えば、歯の成り立ちに関係しています。永久歯は、生えてくるのが早いもので出生時に作られ始めます。そして生えてくる時までに、口の中に出てくる頭の部分だけを完成させてます。つまり6歳程度で生えた永久歯は歯の根はまだ未完成な状態で生えてくるのです。この時の根の状態は、この根尖孔は非常に大きく数ミリで有ることが多いです。そして、数年かけてこの根尖孔の付近まで硬い歯の部分を作り、根尖孔を完成させるのです。



なぜ、ここでこの根尖孔をここで取り上げたのでしょうか?それは、根の治療である根管治療で最も大切な部分だと私たちは考えているからです。


この根管治療は、歯の神経を取った時に必要な治療です。簡単に言えば、根の中を綺麗に洗浄消毒をして、この根管の中に充填剤を入れて、続けて歯として咬めるようにする治療です。しかし、この根管治療は非常に難しいのが現状なのです。


なぜ根管治療が難しいのか?それは歯の中の根管は絵で描いた様な単純な形態では無く、根管の先にある根尖孔も、どこに有るのかは、個々の歯によって違い、簡単に見つからない事も頻発するのです。


さらに、この根尖孔は歯の部位によって1つだったり、4つだったりするのです。それは歯の根の数に関係しているからです。


そして、最終的にはこの根尖孔を塞がなければならないのです。それもピッタリです。しかしこのピッタリが実に難しいのです。


第一に、埋まっている歯の根尖孔の先には骨があるのです。よって簡単に空気が抜けないのです。つまり行き止まりの先細りのトンネルなのです。仮に空気が抜ければ、ある程度の圧力をかければ、根の中に注射器の様なモノをいれて充填剤を押し込めば、塞ぐことが出来ます。しかし、実際にはこの様な方法では隙間が出来てしまう場合が多いのです。





第二に、根尖孔は円形では無い場合が多いのです。仮に正円形をしていた場合には、丸い形状のスティック型の充填剤で蓋をする事が可能です。しかし、楕円形や瓢箪(ひょうたん)の様な形をしていたらその様な丸い形状のスティック型の充填剤ではしっかり塞ぐ事が出来ないのは当然なのです。この方法が専門的には側方加圧根充法と言われている方法です。残念な事に日本では根管治療の教育は40年間ずっと、この側方加圧根充法を教えていて、国家試験でもこれに関する問題が出題され続けているのです。


よって、私ども敬友会の歯科医院では、上の2つの問題を克服する方法で根尖孔を閉鎖する様にしています。


それは、根尖孔を塞ぐ充填材(ガッタパーチャ)を加熱軟化しておき、特殊な方法で根尖孔付近まで持ってゆきます。そしてこの材料に圧力を器具でかける事により根尖孔の完全閉鎖を図る様にしています。こうする事により、行き止まりの根尖孔に対しても、局所的な圧力により根管内のごく微小な空気を根尖孔内外に出すので、緊密に閉鎖をする事ができるのです。又、加熱軟化して有ることも重要で、この処置のために、楕円形や瓢箪型の根尖孔でも緊密に閉鎖出来るのです。



当院に昔から通われている患者さんに関しては、20年来ずっとこの方法で治療をしているために、ほぼトラブルは有りません。よって、言い方は悪いですが、この方法の「ありがたみ」を感じている人は殆ど居ないでしょう。


ただ、根管治療でお困りの患者さんは全国からお見えになります。それもそのはずで、側方加圧根充では治らない場合が多いからです。その様な患者さんに対して、再治療を行うと、抜歯と言われていた歯が、数回の治療で治る場合が多いので、非常に感謝されるのが現状なのです。




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