念願の専門書を出版しました。
このたび、10月24日に歯の根の治療「根管治療」の本を出版する運びになりました。
この本は、先の一般向けの根管治療の本とは異なり、歯科医師向けの専門書です。
本のタイトルは「K.SRCT 久保倉式スーパー根管治療」です。自分の名前を付けるなどとは少々気恥しいのですが、現在世界で行われている根管治療とは異なる方法なので、敢えてこの名前を付けました。
根の治療とは、虫歯を放置してそこに痛みが出てしまい、よく言われる”神経を取る”治療の事とご理解ください。また、神経を取る治療をしたにもかかわらず再度痛み出した場合の、再度の根の治療の場合も有ります。
この根の治療の事を「根管治療」と言います。
この根管治療ですが、日本の歯科医師にとっては非常に不得意な治療となっています。
この治療の為に、半年以上、歯医者に通って挙句の果てには抜歯となった話はよく聞きます。
つまり、現在日本で行われている治療方法では治らない事が多いのです。
その原因は大学教育にもあり、根底には日本の歯科医師国家試験があります。
それに相まって、日本の保険診療における根管治療費用が安い現実があります。
日本の根管治療費は、先進国の10分の1以下であり、発展途上国よりも安いのです。
だからと言って、下手な治療をされた患者さんはたまったものではありません。
私も、この根管治療には長年悩んで試行錯誤を繰り返してきました。
そこで編み出したのが私の方法「K.SRCT 久保倉式スーパー根管治療」です。
具体的に言うと、米国の根管治療の方法と、現在はほぼ廃れてしまった日本で開発された方法を融合してこの治療方法を作りました。
そのコンセプトは、実にシンプルです。
根の先は「決まった数値まで拡大」、根の形づくりは計測の器具を使って「決まった数値まで行けば終了」とします。そして根の中を詰める段階では「決まったレントゲン像が得られれば合格」と明確な基準を設けたのが特徴なのです。
その治療結果ですが、数値的に世界基準を上回る予後となっています。
難しい奥歯の治療に関しても、3回程度の治療、つまり約1カ月で治療が終了します。
この久保倉式は、高価な専用の器具をメーカーから購入する必要は全くありません。物差しとなるプラガーを購入する事ぐらいです。そして、奇抜な方法でもありません。根の中を詰める根管充填を非常に重視し、歯を削り過ぎずに根管充填をきっちりと達成できるプロトコルにすぎません。
若い歯科医師達に、現在「治療に関して、何を悩んでいるのか?」を聞いてみると、彼らの大多数が「根管治療だ」と答えます。
この本は、その様な歯科医師の為に作りましたので、是非とも読んで頂き、この治療法を実践してもらいたいと思います。
歯科医師の皆さんは、この方法に最初は戸惑うかもしれません。
しかし、患者さんが根管治療後の長引く痛みを経験しなくなり、毎回「痛い」と言われるストレスから解放されることでしょう。そして、根尖病変を生じた歯もこの治療法を行う事により、病変が消失する症例を数多く経験されると思います。
一般の方々向けには「だから歯が治らない 本物の根管治療を受ける 」を出版いたしました。この本は、根管治療について分かり易く解説をしておりますので、是非お読みいただきたいと存じます。
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