▼ MENU

たまげたインプラントの症例

投稿日: 2016年12月24日  | カテゴリ: 院長ブログ

たまげたインプラントの症例


「数年前に同じ区内の他の歯科医院で行ったインプラントの具合が悪い」と来院されました。

診察してみますと、インプラントの歯に相当する上部構造と言う部分がカタカタと動くのです。



インプラント自体は大丈夫なのか?と思い、レントゲン写真を撮影してみました。

すると、撮影されたレントゲンは通常では有り得ない写真でした。


一般的に、インプラントは普通の歯の根に相当する部分を「フィクスチャー」と呼び、口の中に露出している歯に相当する部分を「上部構造」と呼びます。

この上部構造はネジで留まっているか、アバットと言う部品をネジで留めて、その上に上部構造をセメントで接着してあるかどっちかです。

そのため、フクスチャーのレントゲン写真を見ると、隙間はほとんど無いはずなのですが、この症例は隙間だらけ。








このレントゲンを見て、「やはりこれはこのインプラントを埋めた先生の所に行って、相談するのは如何ですか」と提案しました。

その医院はインプラントについては10年保証をしているそうなので、患者さんにとっても良いことだと思い、そうする様に勧めました。


しかし、その患者さんは「10年保証があっても2度と行きたく無い。その先生の顔も二度と見たく無い」とおっしゃるのです。


私としては、インプラントのメーカーが分かり、ピンの様な物をやり変えればインプラント自体は使えるのではと考えました。

そこでインプラントのメーカーを問い合わせるため、N先生の所に丁重なお手紙を差し上げました。

ところが、その患者さんに再受診の勧めの電話が何回かかかってきたものの、こちらの問い合わせに対する正式な回答は頂けずじまいでした。


そこで、レントゲンの影を見て、N先生のHPに書いてあるメーカーに問い合わせるなどして、おおよそのメーカーとタイプを推定しました。

「大方はネジで留めてあるアバットが壊れているか、ネジが緩んでいるのではないか」との解釈のもとに、カタついているフィクスチャーを外してみる事にしました。

フィクスチャーが綺麗にはずれると、インラントの顔というべき上部構造との接合部が見えます。

この接合部に各社独自の形がありますので、インプラントを特定するにはここを見るしかないのです。


そこで、「上部構造の隣と歯の接合部を削れば、おそらくネジが回転して上部構造は外れるだろう」と作戦を立てました。

そして、削る事30分。。

メタルもやたらに硬く、恐らく安い卑金属系であろうと思い更に接合部を削りました。

それでも回転しません。

これはおかしいと思い、乳歯を抜歯する鉗子でソーっと引っ張ってみました。

すると、ポコリと外れました。


そして、そのフィクスチャー側を見てびっくり仰天。


フィクスチャーの中はどんなインプラントもネジが切ってあり、そこに部品をネジ止めする構造になっています。

ところが何と、この先生はネジならぬセメント(恐らくスーパーボンド)を入れて、天然歯に使用する釘状の物をその接着剤の中に入れて固定。

その釘状の頭を多少削って型をとり、上部構造を入れた様子でした。




通常ねじ込み式のパーツが入っている部分にセメントが?



 




結局このインプラントは使えませんでした。

インプラント本体の内部のネジをセメントで塞いでありますので、このセメントを綺麗に外す事は技術的に困難だからです。

結果的に、このインプラントは撤去する事になりました。



外した冠です。




この様なインプラント治療は、全くあり得ないのです。

何のためにこの様な治療をしたのか?

恐らく、被せ物の技工料をケチるためではないか、と思います。

この方法を用いると、技工料は通常の4分の1で済むと推察されます。

そのために、このようなインプラント治療を行ったのではないでしょうか。

 



この様な治療を行う歯科医院は、世の中にはごく希だと思います。実際に、先日、コロンビア大学に行ったメンバーに見せた所、全員、あり得ない治療で意見は一致しました。

 


しかし、この歯科医院のHPには「〇〇インプラントセンター」と、高らかに謳ってあります。

このような、杜撰なインプラント治療を行う歯科医院が、です。


医療倫理。その前に人間として。。。ですね。

 

 


サイト内検索はこちら

この記事の関連記事

インビザラインは元々、成人を対象とした治療方法でした。何故なら、子供の口内というのは顎の発達、歯の生え変わりなど色々な変化があるのでインビザラインで矯正するということが難しかったのです。ですから、通常のインビザラインは子供にはお勧め出来ませんが【イ

矯正治療を考える人も増えて来たと思いますが、今はインビザラインという目立たない矯正方法が人気になっている気がします。矯正治療には従来のワイヤー矯正、裏側に装置をつける裏側矯正など色々とあるのですが、それぞれに利点難点が存在し、どれを選択するのか悩む

ジルコニアの乳歯冠(白い歯)     以前から、探していた白い乳歯冠。有りました。   乳歯冠とは子供の歯にある程度、大きな虫歯を作ってしまった場合に、レジン充填と言う様な一部分に樹脂を詰める治療方法では力学的にに強度が不足してしまう場合


アーカイブ

2017

最新記事

診療別メニュー

当院のインプラントが選ばれる8の理由 セレック 1日で白い歯に かかりつけ歯科に認定されました
訪問歯科診療
ベビーシッター
初診ネット予約
無料メール相談
小机歯科医院ブログ
事務職員募集中
学研本

当院が紹介されました

都筑キッズデンタルランド 子供専門歯科医院
くぼくら歯科医院ドクターズ・ファイル院長ブログ