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ある治症例に思う。矯正専門医と言っても

投稿日: 2016年9月28日  | カテゴリ: 院長ブログ

歯並びが悪いと言っても色々な種類(分類)があるのです。

大きく分けて、顎の位置自体が悪い場合と、顎の位置は良いのに歯自体が並びきれていない場合と、両者の複合型があります。


どの場合でもスペースを作る必要があり、多くの場合小臼歯と言う奥歯の真ん中の歯を抜歯してそのスペースを得るのが一般的とされています。


ただ、小臼歯を安易に抜いて矯正をして良いのだろうかと思ってしまいます。

とは言え、私も100%小臼歯を抜歯しないで矯正治療が出来るとは思っていません


しかし、現在治療をしている患者さんを診ていると、安易な抜歯としか思えないのです。

それに加えて、矯正には歯科医療の総合力が必要だと思うのです。



私が現在診ているある患者さんは、矯正歯科の専門医であり学会で権威のある先生が途中まで治療を行った症例です。


矯正歯科の専門医は、矯正が終了してしまえばほぼ自分の所に何十年と通い続ける事はありません。つまり、自分が治療した矯正の数十年後は知らないのが現状ではないでしょうか。


ところが、私どもの様に矯正だけでなく総合的な治療を行っている歯科医は、矯正後何十年と経過した、つまり予後を見ています。すると、やはり極力小臼歯の抜歯は避けた方が良いと思ってしまいます。

理由は、色々ありますが、ここでは割愛します。


なぜ、矯正の専門医が診ていた患者さんを私の様な総合的な歯科医師が診る事になったのでしょうか。それは、専門医の先生が途中で治療を投げ出してしまったからです。


投げ出した理由は、歯が動かないから。

しかも、4本も小臼歯を抜歯をしておきながらです。

通常、小臼歯を抜歯をしてスペースを作り、そこに歯を移動させてゆきます。

しかし、その移動が出来なかったのです。


専門医は、小臼歯を抜歯したスペースに犬歯を後方に引っ張ろうとしました。でも、動かない。

つまり、抜歯をしてしまった空隙は全然閉じないのです。

そこで専門医は帽子の様なヘッドギアまでさせて引っ張ってみたのですが、やはり不変。


結局、専門医は「歯が骨に癒着している」と診断して、大学病院に、骨を切って矯正治療をする依頼をしました。


患者さんはびっくり仰天。

入院して骨を切るとは。

そんな説明は無かったハズですから。


そして、当院に来院。

動かない理由は?

考えました。


先ずは、骨に本当に癒着しているのか?そこで役に立つのがインプラント用の診断器具。

打音検査をするのです。

インプラントは骨に癒着した状態なので、普通の歯とは打音が異なります。これを数値化する装置があるのです。 

もしも、動かない理由が歯と骨の癒着ならば、インプラントと同等の数字が出るハズです。 

結果は癒着はしていない数値でした。


その次に行ったのは、動かない犬歯の歯茎に触る事でした。

これで、動かない理由はほぼわかりました。

周囲の歯よりも、ぼっこりとした盛り上がりが触って取れたのです。


そこで、今度は歯科における革命的な機器である、歯科用のコンビームCTでその部分を撮影してみました。


私が思った通りの結果を画像が示していました。


動かない理由の診断結果は、犬歯自体を強い力で引っ張り過ぎた為に、歯が骨から半分はみ出してしまったからです。

つまり、骨の中に入っていない歯を無理やり引っ張ってしまった結果でした。


そこで立てた治療計画は「兎に角、はみ出した歯を骨の中に戻す力を働かせ、歯を骨の中に入れてから移動させる治療を行う」でした。


そして、治療する事、1年半。

当然歯は移動し、ほぼ治療が終了する段階に入りました。

もちろん、骨は切っていません。通常の矯正治療で終了です。



どうして私がこの様な発想が出来たかと言うと、やはりインプラント治療をかなりやっていますので、骨を見る事に慣れているからです。

インプラントは骨が無い所に行う事はできません。

矯正治療も同じで、骨が無い部分に歯を移動をさせる事は困難なのです。


この矯正専門医の所には、どうやらCTは無い様です。

自分の医院にCTが無くても有料で撮影してくれる医療機関は沢山ありますので、歯が移動しなければそこにCT撮影を依頼し確認すれば良かったはずです。


また、この患者さんを診て思った事があります。

果たして、小臼歯の抜歯を、そもそもする必要が有ったか?

前医の専門医から提供された、矯正治療開始前の写真やセファログラムと言うレントゲンを見て思いました。


専門医は、セファログラムから口元の改善をさせる目的で小臼歯を抜歯した事が推察されました。

それは、下顎の前歯の傾斜角度から判断したと思います。


しかし、下顎前歯に叢生(ガタガタ)は一切なく、前歯の上下の関係はそれほど問題が無かったので、咬合(かみ合わせ)平面の傾斜角度を変更するテクニックを持っていれば、小臼歯抜歯は必要なく、期間ももっと短期間で終了したと思われました。


私は、すばらしい矯正専門医の先生も沢山知っています。

その様な先生から長い間ご指導を頂いてきましたし、現在も大変お世話になっています。

しかし、矯正専門医だからと言って、すべての専門医の技術が長けているとは限らないのでしょう。


患者さんは、歯科医師の技術は判らないのです。


だからと言って、歯科医師は自己研鑽を怠る事が有ってはならないのです。


なぜなら、患者さんに迷惑をかけるからです。



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